【トークライブ・前編】成功事例に学ぶ~メディアが取り上げたくなる事業の作り方【オヤノミカタ交流会】

  • LINEで送る

2017年2月28日(火)、京都のmumokuteki cafeで開催された「オヤノミカタ交流会vol.2」。

今回は、交流会の前半に行われたトークセッション「メディアが取り上げたくなる事業の作り方」の対談の様子をレポートします。

当日参加された方、また「聞きたかったけど行けなかった!」という方、ぜひ、事業づくりの参考にしていただければと思います。

■オヤノミカタ交流会vol.2 ゲストスピーカー

株式会社はたけのみかた 代表取締役 武村幸奈

1992年生まれ。学生時代に農家と消費者をつなぐ学生団体を結成し、2014年11月に大学4年生で株式会社はたけのみかたを設立。主力商品「manma 四季の離乳食」をはじめ、滋賀の農業と子育て中の親を支える商品を提供している。
メディア出演は新聞・ラジオ・テレビなど。

・主なテレビ出演

NHK Eテレ「人生デザインU-29」

BS-TBS「夢の鍵」など

 

株式会社カンブライト 代表取締役 井上和馬

15年にわたりIT事業に携わった後、あるテレビ番組をきっかけに缶詰事業に転身。2015年9月株式会社カンブライトを設立、翌年には「カンナチュール京都高倉店」をオープン。京都を拠点に、缶詰・瓶詰・レトルトパウチに関わるラボスペースを展開している。
メディア出演は新聞・ラジオ・テレビなど。

・主なテレビ出演

「モヤモヤさまぁ~ず2 京都スペシャル」

ABCテレビ「おはよう朝日」など

 

「オヤノミカタ」との出会い ―「共感」と「ワクワク感」がある相手


松井:まずは、お二人とオヤノミカタとのきっかけから。武村さんは、オヤノミカタSTORE立ち上げのときから「manma 四季の離乳食」でお世話になっています。

武村:オヤノミカタさんも弊社も、同じ滋賀の企業なんですよね。まだまだ滋賀で起業する人は多くない中、拠点が同じというところで共感を覚えました。それに名前も似てますし。

松井:そう、「オヤノミカタ」と「はたけのみかた」って名前が似ているので、たまに関連企業だと勘違いされます(笑)全く違う会社なんですけど。

武村:何より「親の味方になる」という企業理念にも共感できたのは大きかったです。私たちは農家さんの味方となるという想いがあって、企業としてブレない部分が同じなんだなと思えました。「同じ滋賀で、目指すところも、名前も似ている」と嬉しかったのを覚えています。

松井:共感できると話がスムーズですよね。

井上:それ分かる気がします。共感できる相手とは、物事が凄くスムーズに運ぶんですよね。それだけじゃなくて、よりいいものができていく、そんな感じがしています。私は、前回のオヤノミカタ交流会でオヤノミカタさんと出会いました。それまで全然知りませんでした。

松井:そうなんですよね。私も前回の交流会で初めて井上さんとお会いしました。

井上:知人に「こういうのあるから行ってみたら?」って言われて、へー「オヤノミカタ交流会」って面白そうだなと思って、フラッと行ったんです。

松井:私は以前からカンブライトさんのことは耳にしていて、交流会で名刺交換をさせていただいたときに「あっ、あの缶詰の会社の!」という感じでした。ずっとお会いしたいと思っていたんです。その翌週にはお店に足を運んだんですが、それって結構凄いことかもしれません。聞いた相手を動かすような、特徴のある事業と言うことですよね。

井上:そうかもしれません。僕は最初の興味を惹くタイミング、つまりattentionってすごく大事だと思っています。「缶詰って何」「町中で缶詰って面白そう」そういったワクワク感を相手に与える。興味がわかないと何も始まらない。それは事業だけでなく店舗づくりもそうで、まずは興味を持ってもらうための布石をいっぱい打ってます。

松井:布石ですか。それは是非お聞きしたいですね。楽しみです。

事業立ち上げの経緯 ―地域や社会を見据えた事業づくり

松井:武村さんは、大学在学中から活動されてましたよね。

武村:はい、大学で街づくりを勉強する中で、有機農家さんと出会いました。有機農業って、凄く手間暇かかるし大変な苦労をされるんですね。どうしてそこまで出来るんですかと尋ねたら、「お客様のため、安心・安全を届けたいから」だと。それって本当に”人のための仕事”だなと。私もそういう人間になりたい、このいい野菜を広めて、世の中のためになる仕事がしたいと思ったのが最初でした。

松井:野菜を使った世の中のためになる仕事、それが離乳食だったんですね。お母さんが確か飲食店を経営されてましたが、元々そういう分野に興味はあったんですか?

武村:いえ全く(笑)。でも全く知らない世界だから、逆に良かったのかもしれませんね。

松井:井上さんも今と全然違う、IT企業に勤めていらっしゃいましたよね。

井上:そうですね。仕事は違いましたが、料理自体は好きで、スーパー行ったら2時間は帰ってこないとかよくありました。野菜や食材への興味は凄く高かった。そんな中で、たまたまテレビで「20年後になると農家がいなくなる」ってことを言ってたんです。これはマズイ!と思って。「自分は何のために仕事をしているのか」と立ち返って、社会のために残りの人生をかけたいと思ったんです。自分は、1人でも多く、農家さんを増やしたい。そこからテレビで見た企業さんに連絡して、「缶詰やりたいです!」って言ったら15分で「いいですよ」って言われ、「会社つくりますか」で会社できました。

松井:めっちゃ早いですね(笑)

井上:もう、ITベンチャーの時間軸ですよね。決まったら早い。で、ここから缶詰を使って、農家を応援するぞと。地域のため、未来のためにできる仕事をしていきたいと。

松井:なるほど。現代は、きっと武村さんや井上さんのように、「この先の社会」を見据えたものが事業づくりのベースになっていくのでしょうね。

なぜ、メディアに取り上げられるようになったのか ―はたけのみかた

松井:はたけのみかたさんは、昨年NHK Eテレ「U-29」の放映がありましたが、いつからメディアに露出するようになりましたか。

武村:最初は大学の広報室からでしたね。学生団体からの流れだったので、大学が応援してくれていたのはありました。日本経済新聞に「学生 起業を実践」という形で掲載されたのをきっかけに、新聞を見た別の新聞記者から連絡がきました。新聞記者は新聞を読んでいるので、一度新聞で取り上げられたら、新聞から新聞へ、他のメディアへと続いていく感じです。NHKも結局、新聞を見てご連絡いただきました。

松井:新聞で取り上げられたのが大きかったんですね。NHKの反響はどうでしたか。

武村:そのときは一気に品切れになって驚きました。3ヵ月ほど品薄状態が続き、お客様にもご迷惑をかけてしまいました・・・。

松井:でもどうして、メディアが取り上げようと感じたんでしょうか。何かおわかりになるところはありますか。

武村:おそらく、1つには「学生が離乳食」っていうところがキャッチーだったのではないかなと思います。聞いたときに意外性があると思うんですね。学生が離乳食って。

松井:なかなかつながりにくいですよね。

武村:私たちは、農家さんのために何かがしたい、と思っていました。そのためには、最初の離乳食のときから関わるのがいい、だから離乳食を作ろうと。メディアが取り上げた理由のもう1つは、そうやって「誰かのために」取り組んでいる企業であることかもしれません。農家のために、親のために。「この子のために一番いいものを」と思う親たちに、農家さんが手間暇かけてつくったお野菜を届けることは、親にとっても農家にとっても大切なことだと思うので。

松井:親と農家の双方に利益がありますよね。親としては、離乳食期は「食」への意識が変わる一番のタイミングなので、無農薬や有機野菜を知るいいきっかけになりますし。TVに取り上げることで、社会への良い影響にもつながるとメディア側が感じたのかもしれませんね。

なぜ、メディアに取り上げられるようになったのか ―カンブライト

松井:井上さんも、テレビの露出が多いですよね。「よーいドン」とか「モヤモヤさまぁ~ず」とか。あれって、どういうきっかけで取材が決まるんですか。

井上:「モヤさま」のときは、スタッフがロケできる場所を京都で探していたとき、たまたまフラッとお店に入って来られたんです。そして話をして「缶詰作れるんですか?」と言われて「はい出来ますよ」と答えて「じゃあタレント来て、こうしてこうして・・・」と聞かれたこと全部「はい出来ます」「もちろん出来ます」と答えていたら、もうロケが決まっていました。

松井:また早いですね(笑)。じゃあ、きっかけとしては偶然だったんですね。

井上偶然は偶然ですけど、僕の中では計画通りとも言えます。

松井:と言うと。

井上:店舗を作る際にメディアの目を意識して作ったんです。立地は錦大丸の裏手、缶詰の加工場がこんなところにあるという「何コレ!?」という意外性を狙った訳です。中に入れば、いつでも誰でも色んなことが出来るようにしています。タレントさんは缶詰体験できるし、中は見やすくガラス張りだし、そもそもガラス自体が取り外せるしで、とても撮影ウェルカムなお店づくり。それはクローズよりオープンの姿勢です。いつでも来ていい状態にしてあったので、ロケが来たときは驚きとかではなく「はい、お待ちしてました」という感じでした。

松井:なるほど。最初からメディアに取り上げられる前提で設計していたとは用意周到ですね。反響も結構あったのでは。

井上:それが、それほどでもなかったんですよね。番組構成にもよるんでしょうし、特にバラエティだったからだと思います。

松井バラエティだと、本当に伝えたいことが伝わりにくいことがありますよね。

井上:そうなんです。だから「よーいドン」の方が反響は高かったですね。なぜ商品が高いのか、それが視聴者に伝わるようなストーリー仕立てになっていたので、番組終了後の30分ほどで、6~70件の注文が入りました。

松井:それは凄い。しっかり取り上げてもらえると反応が違いますね。

井上:それでも、「モヤさま」で取り上げられたことで、様々な発展につながったのは事実です。色んな商品コラボも生まれました。

松井:はたけのみかたさんも、カンブライトさんも、他社とうまくコラボされてますよね。その辺りのお話も聞かせていただけますか。

 


 

まだまだ盛り上がるトークセッション。次回は後半「上手なコラボの作り方」「メディアにどう仕掛けるか ―対照的な2社の『戦略』」「なぜ、manmaは売れるのか」等を配信予定です。
引き続き【対談レポ1・後編】をお楽しみに。

>>続きはコチラから
http://report.oyanomikata.com/report258