本物の感動も「こどもとシェア」したい。2人のママの想いが、大勢の想いと重なった日。

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去る6月24日(土)に京都のmumokutekiで行われたコドモト主催の『こどもと行こう!衹園祭』キックオフイベントに参加してきました。会場に入ると同プロジェクトを応援する約20店のお店(アロマオイル、授乳服、スキンケア用品、書籍、雑貨など)がマルシェの開店準備をしている真最中で、多くの人や物で大賑わい。

 

 

 

コドモト メンバーの山本安佳里さん・早川美咲さんに初めて私がお会いしたのは、このプロジェクトが本格的に始動したばかりの今年3月…それからほんの数ヶ月でこれほどの人たちにコドモトの想いを届け、「応援しています!」と心強い繋がりを持てるほどになった、というのは山本さんと早川さんの行動力あってこそなんだろうなぁ、と思いました。

左:山本さん 右:早川さん

 

多方面の人の心を動かしている当事者発信のムーブメント

キックオフイベントは『こどもと行こう!衹園祭』合同企画説明からスタート。山本さんから同プロジェクトに対する想いや具体的な実施内容の説明がありました。これまでにオヤノミカタレポ―トでも紹介してきた、オムツ替え・授乳ができるこどもステーションの設置・運営、親子ツアーの企画・運営、親子で楽しめる衹園祭マップやモデルルートの作成などなど。「衹園祭をこども歓迎色にプロデュース」が軸となったコドモトの取り組みは、どれも親の強い味方になってくれそうなものばかり。

 

「子連れの衹園祭は、こどもと山鉾の美しさ、町衆が繋いでこられた京都の伝統を間近で体験することができます。文化・伝統・芸術に触れる機会にもなり、こどもの情操教育にも繋がります。豊かな原体験が心を育み、豊かな感性が育まれ、そんなこどもたちがより良い社会をつくります。それは、京都、日本の明るい未来に繋がっていくと思っています。」

 

山本さんが企画説明の最後におっしゃっていたこの言葉に、母としてこどもにできる最大限のことをしてあげたい…という親の強さを感じて胸がアツくなりました。もっと衹園祭を優しく開かれた場所にするためのコドモトの挑戦はこれから本番を迎えるわけですが、山本さんと早川さんのこどもを、衹園祭を想うあたたかい気持ちできっと同プロジェクトを実りあるものに導いていくに違いありません。

 

私が思うこのプロジェクトの強みというか、凄いなと思うところは、コドモトが様々な人を丁寧に巻き込んでいる、ということ。最初は「子連れの衹園祭は大変」という親の視点から生まれた課題。それをそのままにするのではなく、当事者意識を持ってその道のプロフェッショナルの方々に会い続け、輪を広げて、想いを広げていった…。

 

■赤澤清孝さん(大谷大学 准教授)

■平井嘉人さん(衹園祭山鉾連合会 理事、京都いのべーしょんオフィス インキュベーションマネージャー)

■太田航平さん(衹園祭ごみゼロ大作戦 理事長、NPO地域環境デザイン研究所ecotone 代表理事)

■八木透さん(佛教大学 歴史学部 教授、綾傘鉾保存会 理事)

 

そんなそうそうたるメンバーが山本さんと共に合同企画説明に登壇。みなさん同プロジェクトに対する想いをお話しされていました。どれも心に響く内容でしたが、特に私が共感したのは…

 

■赤澤さん(『こどもと行こう!衹園祭』実行委員長):

「伝統ある衹園祭の楽しみ方は、参加する人の数だけ色々あっていいんじゃないのかな、と思っています。親子には親子にしかできない楽しみ方があるはずです。そういう中で歴史ある衹園祭を小さいこどもと楽しむにはどうしたらいいんだろう、と子育て中の親が取り組んで、当事者が(衹園祭に)来てもいいんだよ、たくさん楽しんでね、と発信することにとても意味があると思っています。」

 

■平井さん(『こどもと行こう!衹園祭』実行委員):

「何事もまずスタートさせる、ということが大変で大切だと思います。準備するための知識や経験を積むよりも実際やってみる、そこからいい学びが得られるのです。今日こうやってコドモトは自分たちで実践してスタートさせました。これから色んな経験や反省をしながら、来年以降の活動に繋がっていけばいいな、と思っています。今年の山鉾連合会のスローガン「すべての人に安心・安全を」に繋がるコドモトの活動に協力していきます。」

 

■太田さん(『こどもと行こう!衹園祭』実行委員):

「衹園祭でのごみ問題は随分前からありますが、この問題があまり価値化されずにいました。同じように、こどもを衹園祭に連れて行きたいと思っている親はたくさんいたり、祭側もこどもにもっと衹園祭に来てもらいたいと思っていたものの、そこまで大きな課題として表に出なかった。こんな課題があると声を上げ、解決へと導くにはコドモトのように「他人事ではなく自分事」にして、みんなでより良い衹園祭をつくっていくことが重要だと思います。」

 

ボランティア2000人規模の『衹園祭ごみゼロ大作戦』も全面的に協力

 

■八木さん:

「私がこどもの頃の衹園祭は、町内のこどもからお年寄りまで誰もが楽しめるお祭でした。30年ほど前の資料映像では「衹園祭は全京都人のための祭です」という当時の山鉾連合会 会長の言葉も出てきます。それが今では、こどもの楽しそうな声で活気づくことが減ったように思います。コドモトのお話を初めて聞いた時、本来の衹園祭のありようをもう一度21世紀に残そうとする、大きな波紋を投げかけるような企画だと思い、本当に感激しました。」

 

こんなふうに思ってもらいながら協力を得るコドモトの取り組み。7名の『こどもと行こう!衹園祭』実行委員メンバーを始め、マルシェへの出店協力店のみなさんや同じ志を持った多くの仲間…、ここまで多方面にわたる人の心を動かし、みんなが同じ方向に向かって新たな取り組みに挑戦しようとしているムーブメント、しかもそれがママ発信というのが純粋に凄いことだと思いました。

 

こどもにしか感じられない空気に触れることで広がる世界

その後は、『衹園祭ごみゼロ大作戦』でも使用されるリユース食器を活用した交流会がありました。

 

 

こども達も参加する和やかな交流会の後は、八木教授とコドモトのトークイベントが開催されました。トークテーマは「記憶に残る体験が繋ぐ伝統文化」。その中でも印象的だったのが、八木教授のこの言葉。

 

「小さいこどもにしか感じられない空気があると思います。大人になったら分からないことをこどもはキャッチする能力があるので、本来の衹園祭の空気感っていうのは小さいこどもにしか分からないこともあると思います。小さいお子さんにも衹園祭を体験してもらって、世界を広げてもらえたら私も嬉しいです。」

 

こどもは体験・経験の数だけ知識や感性はもちろん、自分の人生の幅を広げることができるような気がします。その場でしか感じられない空気に触れ、記憶に残し、それが人生に影響を与えるほどのものになる可能性もゼロではないと思うのです。家庭や環境がその子の人格や価値観をつくりだすように、体験や経験がその子の可能性をより大きなものへと広げてくれるのではないでしょうか。

マルシェで楽しそうに遊ぶこども達

 

時間も、感動も、成長も、こどものうちにシェアしたいと願う親

「正直、衹園祭のことは詳しく知らないんです。でも1000年以上続くお祭ってそうないし、それほど長く愛されているお祭には何か意味があるのかな、って。その意味をこどもと一緒に私も知れたら素敵だな、と思っています。」

 

マルシェに参加されていた方に衹園祭に対する想いを聞いたら、そういう答えが返ってきました。こどもと一緒に、親も新しい世界を知りたいと思っている。日常にはない伝統や文化をこどもと感じたいと思っている。単なる親としての使命感だけではなく、心の奥底にうずく成長欲を親が持ち続けていることに気が付きました。

 

こどもと同じ時間をシェアして、楽しさや感動もシェアして、成長もシェアする…そう願う親にコドモトの取り組みは自然に受け入れられているのだと感じました。私もそのうちの一人です。なぜなら、こどもと色んなことをシェアできる時期は、長い人生の中でほんの少ししかないことを知っているから。手を繋いで過ごす時間なんて、ほんの少しだと思います。そのうちこどもは友達や家族以外の大切な人との時間を優先するのかな、きっと。それなら、一緒にいれる今を大切にしたい。私のように、そう感じている親は多いのではないでしょうか。

 

7月に入り、京都では衹園祭の準備が着々と進んでいます。日を追うごとに、京都は衹園祭色に染まることでしょう。そして、コドモトが実現したかった「こども歓迎!な衹園祭」のための準備も大詰め。コドモトの想いを、子連れで祭を楽しみたいと思っている多くの親の想いを、衹園祭を1000年先も続く伝統祭事へと繋げていきたいと思っている京都人の想いを、全部ひっくるめてどんな衹園祭に今年はなるのか…、これからもコドモトの活動を一人の親として応援し続けたいと思います。

 

 

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