mumokuteki(ムモクテキ)京都ーオーガニック、体にやさしいカフェ、雑貨、マルシェetc。新しいことが色々できる秘訣は?

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2017年10月に開催されたオヤノミカタフェスタは、京都でも人気の体にやさしいカフェmumokuteki cafe(ムモクテキカフェ。正式名称はmumokuteki cafe&foods)の上階、mumokutekiホールにて開催された。この1階はファッション衣類や雑貨、食品を売る物販店舗(mumokuteki goods&wears)となっており、ひとつの店としても多様な楽しみ方がある。

オヤノミカタマルシェには、このmumokutekiも1ブースとして出店をしていた。並ぶのは、かわいらしいクッキーや色鮮やかなドリンクたち。

感じられるのは「他で見たことない」という珍しさ。

「どれも牛乳や卵、肉を使っていません。飲み物もすべて有機栽培のものからつくられています」

ブース店頭に経つ吉村さんは、当たり前のようにそう話す。

けれどオーガニック商品がずらりと並ぶこと、それが当たり前でないことは、近所のスーパーに行けばよく分かる。

商品一つ並べるにしても、mumokutekiはオーガニックという姿勢が徹底している。そのため根強いファンが多い。

「そうですね、若い方にとっては『憧れの店』なのかもしれません。行列ができてお待ちいただくこともありますし、海外からのお客様も多いです。でも、去年ようやく私たちのコンセプトを固めたのですが、出てくるまでずっと・・・苦しかったです」

今や押しも押されもせぬ人気店。その裏側には、人知れぬ苦労があった。

「私たちは、何のためにあるのか」ブランドの存在価値を問う2年間。

「去年、mumokutekiは10周年を迎えました。それに向けて、社員全員でブランドについて話し合いをしたんです」

既に人気店として有名になっていたが、改めて、自分たちのブランドについて考えたという。

「私たちが進んできた道、これからの方向性を考えていくと、やがて『この世界で、私たちは何の役に立てるのか』という問いに行き当たりました」

それはもう、店や会社のブランドを越えた<存在意義>への問いに近い。

「mumokutekiが出来ること。売り上げだけじゃない、争いや競争でもない。この世の中で、私たちはどう在りたいか。それを社員で徹底的に話し合いました」

今まで自分たちがやってきたことを紐解き、問い直す作業は並大抵のことではないだろう。

「話しても話しても終わらない。本当にできるのかな、って、何度も思いました」

吉村さんはそう正直に話す。

しかし、その話し合いの結果、ひとつのコンセプトが見えてきた。

「それが、『いきるをつくる』です」

ついに光が見えたとき、2年の歳月が流れていた。

作り手やその先まで責任を持つ。「商品の価値を下げない」ために。

いきるをつくるーー長かったコンセプトワークを経て出てきたのは、とてもシンプルな一言。

「出てくるときは、ポンと出てきました。不思議ですね」

それを聞いて私は、なんだか赤ちゃんを産むみたいだ、と思った。

出てくるまでは辛く、ゴールも想像できない。でも、出るときは、つるんと出るように。

「食べることも、着ることも、作ることも感じることも。すべてが、“いきるをつくる”。それはお客様と作り手・売り手が相対するのではなく、横並びで一緒になって、つくっていくことです。このコンセプトに当てはまるものならば、色々やろう、何でも受けてみよう、という風に決まりました。こうやって、イベントをお受けするのもそのひとつです」

ひとつの根幹が決まったとき、今までとこれからの行動が、清々しいまでにつながっていく。

「扱わせていただく商品についても、作り手のことやその先のことまで責任を持とうと考えています」

誰が、どこで、どのように、どんな想いで、作った商品なのか。

本当に自分たちが扱わせていただくことで良いのか。

そうして店頭に置かれた商品には、物そのものだけでなく、ストーリーや背景が存在している。

「もしお客様に尋ねられたとき、私たちが答えられないと、その商品の価値を下げてしまいます。だからスタッフは日々勉強です」

私は吉村さんに「今、ここに並んでいる中でオススメはどれですか」と尋ねてみた。

すると彼女は、うーんとアゴに手を当てた。

「オススメですか?そうですね。勿論どれもオススメですけど・・・」

そうして、ひとつの商品を手に取った。

ぱっかん屋×sunao×mumokuteki。オリジナル商品「むもくてき玄米グラノーラ」

吉村さんが示したのは『オーガニック桑の葉とむもくてき玄米グラノーラ』。

「これは、私たちにとって初めてのオリジナル商品です」

やさしい緑色をしたグラノーラは、よく見ると、お米のような形が見えた。

「そう、これ、お米なんです。ポン菓子って分かりますか? 富山県にあるポン菓子専門のお店『ぱっかん屋』さんに作っていただいています」

ぱっかん屋!どこか懐かしい響きだ(何を隠そう、私は富山県出身)。

「この緑色をした粉末は桑の葉です。sunaoさんの『わの葉茶』でも使用されている桑の葉を使わせていただいています」

sunaoは、オヤノミカタストアでも取り扱っているメーカーだ。天然素材を使用して、シンプルな美しさを追求しているsunao。

「元々、sunaoさんのスキンケア商品をお店で置いていたので、そのつながりでご協力いただきました。白砂糖は一切使わず、お米の甘さと素材の味を活かしています」

早速、その場で食べてみた。お米のグラノーラは初めてだ。

食感は、カリカリというより、ふんわり。かみしめるとお米の甘みや桑の葉の風味が、じんわりと広がる。

「これを作るとき『小麦よりお米を食べてほしい』という思いがありました。この食感も、味もバランスも、何度も試作品を繰り返しています。その甲斐あって、10個まとめ買いする方もいらっしゃいます」

とても嬉しそうに教えてくださった。

オーガニックも、カフェも、マルシェも。全部がつながるおもしろさ。

いつも、新しくって面白いことを企画しているmumokuteki。

それは社員やスタッフの努力や、真摯な姿勢が実を結んだものなのかもしれない。

「『いきるをつくる』は、誰のためとか、特定の人を対象にしているのではありません」

吉村さんは語る。

「それは、この世に生きる、すべての命に当てはまることだと思っています。こども、大人、日本の人や海外の人。また人に限ることなく、木々や花、鳥や獣、魚も虫も、皆等しく地球にある命です。私たちは、すべての生命の『いきる』を、つくっていけたらと考えています。それを今、少しずつ形にしているところです。色んな方と力を合わせながら」

いきるをつくる。広くて深い、素敵なコンセプト。

一人では出来ないことも、多くの人と手を取り合い、一緒になって話をすれば、前に進んで行ける・・・そんな気さえしてくる。

今、目の前にある一つの商品にも、多くの人々の知恵や熱意、想いがこもって、ここにある。

誰もが知っていて、でも忘れがちな大切なことを、mumokutekiのスタッフは知っているのだ。

●mumokuteki(ムモクテキ)ブランドサイト http://mumokuteki.com/