【きむ×LICO相談室vol.2】こどもにダメ!と言ってしまう。許せるようになりたい。
2017.11.29

2017年10月に開催されたオヤノミカタフェスタの「子育ての悩みや質問に、きむさんとLICOさんがお答えする」という貴重な時間。
今回は、第2回をお届けします。
☆第1回はコチラ
質問2「もっと器の大きな親になるにはどうしたらいい?」
●松井:次の質問です。「心の器を大きくしたいのですが、どうしたらいいですか?コツがあれば教えて欲しい」ということですが…
●きむ:心の器は、自分が「無理かも…」と思った時に、もう一踏ん張りできるかどうかで、それを続けていくと、どんどん広がっていくものなんじゃないかと思います。
●松井:限界を伸ばす、みたいな感じですか。
●きむ:そうですね。自分はここまでと思う幅を広げていくみたいな感じですね。
●LICO:何を持って心の器が大きいとするかだと思うんですけど、誰かを許せなかったり、何かを認められなかったりということが多いのであれば、自分が「ダメ」と言われ続けてきたことを、違う人がしていると「私はダメなのに、何であなたはそれをしているの?」という気持ちが奥にあるのかなと思います。
私は「自分が今、ダメだと思ってることって本当にダメなことなの?」って問いかけるようにしています。突き詰めて考えると、ダメなことって、実は、そんなにないんですよね。もちろん人を傷つけたりとかは良くないですけど。そうじゃないところで考えた時に、世の中、本当にダメなことってそんなにないんじゃないかなって思います。
子どもがやってしまうあれこれだったり、旦那さんがやってしまうあれこれだったり…それを受け入れられない時に考えるんです。
「これって本当にダメなことなのかな?」
「なんでダメって思っちゃうんだろうな?」
「私は、一体、誰にダメって言われてきたんだろう?」
そういうことまで考えると「この価値観って、私に『ダメ』と言ってきた、あの人のものだったのかな」と気付けたりするんですよね。
●松井:それはLICOさんご自身の経験ですか?
●LICO:それもあるかもしれません。
●松井:それだけ冷静に自分を見つめられる器が欲しいということなんですけども、なかなか、子育て中で、お子さんが小さい時が難しいんでしょうかね。
「こどもだから」と思ってみると、お互いが楽になる。
●きむ:心の器を広くするっていうか、物の見方やったり考え方やったりで結構変わるのかなって思います。さっきLICOさんもおっしゃっていましたけど、「なんでこの子はこんなことするの?」じゃなくて「子どもってこういうものだ」と思ったら、だいぶ変わるんじゃないかと。電車で騒ぐのが子どもやし、静かにできないのが子どもやし、「なんで?」じゃなくて、「子どもだから」って思ったら、楽になるんじゃないかなって思います。
●松井:でもやっぱり周りの目があるし、自分がちゃんとしつけてないと思われるのが嫌だと思っている人が多いと思うのですが。
●きむ:うちの妻がすごいと思ったのが、娘が最近毎日おねしょしてて、毎回夜中にシーツを洗わないといけないんですけど、怒らないんですよ。「だって子どもは、おねしょするから」って。子どもはそういうものだからって。怒らないのすごいなって思います。
●松井:子どもに怒ってしまうのは、自分で自分を縛っちゃってるってことなんですかね?自分で自分を怒る方向に持ってっちゃってるような気がするんですよね。
●LICO:そうですね。手間を考えちゃうんだと思います。おねしょをしました。そのあとシーツを洗い、ベットマットを外し、ファブリーズし(笑)次の日の朝まで洗濯機は回せないし、翌日お仕事がある時は、洗濯物とシーツも一緒に洗わなきゃいけない…って、瞬時にそれを考えちゃうんですよね。考えて「あーー!!」って。怒りたくなくても怒っちゃうんですよね。縛っちゃってるというよりも、先を考えて、時間を取られてしまったりとか、自分の手間を取られてしまったりということがストレスに感じると、怒ってしまうのかなって。
●きむ:僕は、おねしょをした娘を、お風呂に連れて行ってシャーって流すだけなんですけど(笑)
●LICO:手伝ってくれるだけ、ありがたいです。寝てるだけのお父さんも多いと思うので。
でも本当にそういうものだって思えると、スタートラインを変えられるというか。「しないもの」をゼロに設定してしまうと、されるとマイナスになって、それをゼロに戻す作業がすごく負担に感じてしまうんです。でも「するもの」をゼロに設定しておくと、されてもゼロのままなので、「まあしょうがないかな」って思えるようになると思います。いい意味で諦められるというか、受け入れられるというか。「あ、これが子どもね」と思えた時に、お互いが楽になれるのではないかと思います。
自分の「家事時間」の見通しを立ててみる。時には音楽を聴きながら。
●松井:さっきLICOさんがおっしゃっていたように、瞬時に色々考えてしまうから、そういうものだってなかなか思えなかったりするんでしょうか。
●LICO:お母さんて掃除機かけながら、夕飯の献立考えたり、洗濯物のことを考えながら生活しているので、いっぱいいっぱいになってしまいますよね。あれもやって、これもやって、常に脳みその中パンク状態。なので私は自分の家事時間を把握するというのをやっています。だいたいこれをするのに、どれだけの時間がかかるかっていうのを、ちゃんと数字として把握しておくんです。子どもが赤ちゃんの頃は、突然泣かれて「ママ!ママ!」ってなると、5分で終わるものが30分もかかってしまったりとかするので、そんな時は無理しなくていいのですが。
ある程度、自分の時間が持てるようになってきたら、洗い物には10分かかるとか、洗濯物を干すのは、5分で終わったとか…思っているより短い時間で済んでるものって、意外にあるんですよね。漠然と「時間がかかる!」「忙しい!」と思っていると、イライラするんですけど、「5分あれば、終わるはず」と思っていると、ちょっと余裕が持てたりするんですよね。
で、その分、子どもに呼ばれたとしても、ある程度時間が分かっているから、「絵本読んであげよう」って思えるんですけど、時間が分かってないと、「忙しいから絵本なんか読めない!」ってワタワタと時間が過ぎてしまう。なので、試しに自分の家事時間がどれだけかかっているのか、自分で把握しておくというのはいい目安になると思います。イライラを抑えるいいきっかけにもなるかと。
●きむ:じゃあ自分の器を大きくするというのは、自分の家事時間をはかって、余裕の時間を作る、自分を受け止めてあげる時間を作ることも一つなんでしょうね。確かにうちの妻も把握してそう。
●LICO:その日によって洗濯物の量とか食器の量が変わってくるので、だいたいでいいんですけど。
全く分からない状態で、今日は忙しいと思っているのと、やらなきゃいけないことにどれだけ時間がかかるのか分かっているのとでは、心持ちが違うと思うのでオススメです。
●松井:時計ではかるんですか?
●LICO:時計ではかってもいいです。
ちなみに私は、家事をする時に、少しでも楽しくできるように、いつも好きな音楽をかけるんですけど、この家事は、ミスチルの歌2曲分、この家事は安室ちゃんの歌3曲分とかで把握したりしてます(笑)。
●松井:それは楽しいですね。
●きむ:そうやって楽しんでるお母さんていいですね。子どもにとっても、お母さんのそんな姿は、嬉しいでしょうね。
次回は最終回。お二人が紡ぐ「言葉」の秘訣にも迫ります。
どうぞお楽しみに。