京都紋付「KUROFINE(クロフィネ)」が 「長く大切に着たい!」を叶えてくれる

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10月1日(日)オヤノミカタフェスタにブース出展を行った、1915年創業の老舗企業・株式会社京都紋付。今回の出展にあたっては、実は、オヤノミカタ代表・松井さんの強い要望がありました。

「一張羅の服をこどもに着せた時、『汚さないで欲しい』、『大切に着て欲しい』と思うあまり、言うことを聞いてくれないこどもを叱るようなことがありました。でも、それって、親がこどもの行動を制限するようなことを望んでおいて、思い通りに行かないからと勝手にイライラしていただけだったのかもしれません。京都紋付さんの染め替えサービスがあることで、そんな親のストレスを少しでも軽減できればと思ったんです」という、松井さん。その気持ちにご賛同いただく形で、今回の出展が実現したのです。

日本国内で消費される年間250万トンの衣類のうち、実に200万トンの衣類は半年以内で捨てられているのが現状だそう。貴重な地球資源を、服一枚のリサイクルから支えることができれば――、そんな思いからスタートしたのが、京都紋付のリ・ウェア(REWEAR)プロジェクト。京都紋付「KUROFINE(クロフィネ)」というブランド名のもとに、いらなくなった衣類を引き受けて“黒”に染め直し、新品のように生まれ変わった品物を、再び持ち主の手元に戻してくれるサービスです。

松井さんも今回、シミが付いてしまったお子さんの衣類、数点の染め替えを依頼。男の子のTシャツは、地の青色の繊維が染め残って全体的に紺色に近い仕上がりになり、墨汁のシミも消えました。また、黄ジミになってしまった女の子のワンピースは、深く美しい黒に染まりました。

 

京都紋付「KUROFINE」×オヤノミカタフェスタ

フェスタ当日は、京都紋付の荒川徹社長が自らブースへ。まだ小さなお孫さんが2人おられるという、荒川社長。「うちの孫たちは、まるで兄弟みたいに育って仲がいいんですよ。年の差もほとんどないから、お下がりを回しあうにも絶好の関係」と、終始笑顔でお話を聞かせてくださいました。

「子育て世代の皆さんも含め、今の若い人たちは、エコやリサイクルに対してとても感性が高いと思いますね。大量消費の時代は終わって、皆さん、気に入ったもの、良いものを修理しながら長く使いたいという価値観をお持ちの方が多い。そのために、KUROFINEがお役に立てると思います」

子育てが始まると、自分の服ばかりにお金をかけてはいられなくなります。たまに奮発して買った服さえ、こどもに汚されてしまうこともしばしばです。こども服の場合も、もちろん同じ。とっておきの外出着も、こどもたちは数回着ただけで汚してしまうことがよくあります。こどもの衣装ケースを整理していると、もっときれいに着てくれていたらなあ、弟妹や親戚、友達の子にお下がりしてあげたかったなあと、ため息が止まらなくなることも。

気付いたら、親もこどもも、服選びの基準は「丈夫で、がんがん洗えて、余計な飾りが付いていなくて、汚れても惜しくないもの」に変わってしまっていました。「仕方ないよね、そんなものだよね」って諦めてしまっていました。でも、もしも汚れやシミで着られなくなった服を、よみがらせる方法があるとしたら?

京都紋付「KUROFINE」の染め替えは、京都紋付への直接送付のほか、現在は全国に500店舗を展開するリユース・ショップ「セカンドストリート」の店頭にも窓口が設置されています。また、過去には有名アパレルとのコラボや各百貨店の催しとしても好評を博しており、すでに国内外で多数の実績がある人気サービス。安心して、大切な衣類を預けることができます。

今回のフェスタにおいては、実際に、京都紋付へ依頼品を送付するための宅配ツールをお配りいただきました。こちらは、サービスの詳細と利用の流れ、料金がわかるリーフレットに、ゆうパックの印字済み送り状、そして染め替えの依頼シートが同封されているもの。シートに記入して依頼品を送ると、素材の確認、傷やほつれなどの検品を行った後、衣類の重量をもとに見積もりのメールが送られてくるしくみです。

 

 

なお、染め替え時に問題が出そうなものについては、この時点で予測を伝えてくれます。持ち主が承諾の返事をしない限り、染め替え作業は保留されていますから、よく考えた後にキャンセルすることも可能。もし「これはうまく染まるのかな?」と不安に感じることがあっても、相談しながら進めることができます。

 

京都紋付の“黒”は、どんな黒?

京都紋付は、現在に至るまで100年間もの間、黒色専門の染屋として、日本の伝統的な礼装である「京黒紋付」の染めの工程を担ってきました。

生地の状態、染料の温度や配合を微妙に変化させながら染めていく染めの手業は、今も昔も、熟練の職人の技と経験によって実現する、とても貴重な伝統技術のひとつです。中でも黒紋付を染める黒染めは、深みのある色を出すために深黒加工という独自の技術を用いて、世界水準の黒色を実現しています。多くの手間と時間がかかります。だからこそ、“黒紋付の黒”は、古くから現在に至るまで、礼服にふさわしい最高級品質の“黒”だとされています。

「この黒は、ちょっと赤みがかってる」「生地のせいか、少し光って明るく見えるなあ」なんて感じたことはありませんか?黒が他の色染めと異なる点は、もともと、何度も下染めを繰り返して、理想の黒になるべく「近付ける」手法であったこと。同じ黒といっても、生地の質、染めの手法や職人の腕によって仕上がりの黒さにはブレがあり、理想の黒に迫るために、先人たちはさまざまな試行錯誤を繰り返してきたのです。

「呉服の染屋は、従来から“黒”と“それ以外”に専門分野を異にして分業を行ってきました。ですから、京都紋付は100年間ただひたすらに“和の黒”に専心して技術と経験を蓄積してきたことになります。先人たちが積み重ねてきたものを、自分の代で絶やすわけにはいきません」と、荒川社長は強調します。

かつてはお嫁入りの道具として、娘には黒紋付を仕立てて持たせるのが慣わしでしたが、近年、和装全体の市場縮小が進む厳しい状況も相まって、黒紋付の需要も大きく下がっています。そんな今の状況下で、荒川社長の何よりの懸念は、京都紋付が蓄積してきた“黒”の技術の維持継承だといいます。

特に、京都紋付の黒は、深黒加工と名づけられた独自の“黒”。通常の黒染め工程の後に天日干しで乾燥させ、さらに再び手作業で深黒液に浸けて処理するそう。こうすることで、生地表面の反射が抑えられ、目に飛び込んでくる光の量を減らすことで、通常の黒よりも“より深い黒”を実現する、いわば伝統技術と科学のハイブリッド手法なのです。

この、貴重な“黒”の技術を広く伝え、また次世代へと確実にバトンを繋ぐために、荒川社長が着目した手段の一つが「KUROFINEの染め替え」だったというわけです。

 

オンリーワンの仕上がりを待つ楽しみも

実は、KUROFINEの染め替えの意義は、単なる衣類のリサイクルだけには留まりません。まずは、先述した「深黒加工」によって、特別なシーンでも着られる一着になるということ。デニムや綿のシャツなど、本来はカジュアル・ファッションに分類されるアイテムも、黒紋付の黒=礼装の黒に染めることで、ぐっと洗練された味わいが加わります。もう着られなくなってしまった昔の服も、表情が変わればまた、大人の装いとして復活させることができるかもしれません。

また、うれしい副産物として、染め替えの加工工程を経ることで布地の肌触りが柔らかくなり、生地表面に撥水性が加わることも付け加えておきましょう。

興味深いのは、既存の市販品を染め替えても、必ずしも全てが真っ黒に染まりきるわけではないということ。たとえば、綿素材のプリントTシャツを染めかえる際には、綿素材を染めるための専用染料を使って染めるため、綿以外の素材が使われている部分、たとえばプリント部分は染まらずに残ります。綿と化学繊維を混紡した部材、たとえばレースやワッペンの飾りがあれば、その部分はまだらに染まるでしょう。袖や裾の三つ折部分や首周りに綿素材以外の縫い糸が使われていれば、縫い目の部分だけが浮き上がるように染め残るかもしれません。

「これが、経験上、非常に表情豊かで味のある、面白いものに仕上がるんですよ。オンリーワンの仕上がりとなりますから、楽しみに待っていただければ嬉しく思います」

オヤノミカタ代表・松井さん宅でも、染め替え後の服を持ち帰ると、こどもたちの歓声が上がったそうです。「どうやって染めたの?」、「新品みたい」、「すごい!」。

「KUROFINEにお願いしてよかったなと思いましたね。捨てるしかなかったものがカッコよくなって帰ってきて、子どもの喜ぶ顔も見られましたし、お気に入りの服をこどもがもう一度着る姿を見ることもできて、親としてはとても満足」と、松井さんは言います。

なお、使用する染料について、京都紋付では「アゾ不使用」を宣言しています。繊維染色に広く普及しているアゾ染料の中には、人体に有害な物質を発生させる恐れのある種類が含まれています。京都紋付では、数十年も前からアゾ染料に代わる染料の開発と実用を行っており、現在においては、一切のアゾ染料を使用していません。さらに、より厳しく世界的な基準でもある「エコテックス100 分類Ⅰ」の認証を取得し、生後36か月までの乳幼児の衣類に安全が保障されています。

荒川社長には、KUROFINEの染め替え事業開始からずっと、心に留めてきたことがあるそうです。

「京都紋付KUROFINEが手がけるからには、染め替えが単なるリサイクルに終わらず、お客様からお預かりした品物にプラスアルファの価値を加える“アップサイクル”であるように。京都紋付が100年間伝え継いで来た “黒”を纏っていただく――、その特別な経験を、お客様にお届けしたいと思っています」

もう着られないと諦めていた服、クローゼットの奥にしまいこんで眠り続けていた服が、「京都紋付の黒」という特別の“黒”に生まれ変わります。さて、どんな姿で手元に帰ってきてくれるのでしょうか。それを待つ時間も、お楽しみのうちですね。

きっと、どんなにか素敵な再会になることでしょう!

 

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株式会社 京都紋付
http://www.kmontsuki.co.jp/