研究対象は自分自身!? ママの“わたしらしさ”研究所とは…

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育児・家事と仕事の両立にバタバタなわたし…これでいいの?

「なぁ、おかんちゃん。トランプでババ抜きやろ!」「いいよー。負けへんで~!」

「じゃ、次は公園いこー!」「よし! 天気いいし、水筒もっていこか。」

そんな我が家の親子の会話に、ちょっとした変化が起こりました。

「なぁ、おかんちゃん。人生ゲームやろ!」「いま調べたいことあるからまた後でな。」

「なぁ、なぁ、縄跳びするから見てーや!」「ごめん、疲れたからちょっと寝かせて…。」

去年9月に仕事復帰してから、こどもからの誘いに「いいよ」と言える回数が減ってしまった私。もちろん時間に余裕がある時は「やろやろー!」と前のようにこどもと一緒に遊ぶのですが、育児・家事と仕事の両立がうまくいかなくて「こどもとの時間」より「自分の時間(仕事)」を優先してしまうことも増えてしまいました

「こどものことを一番に考えてあげたいのに、仕事を続けてもいいのかな…」

「わたしが本当に大切にしていること、やりたいことは何なんだろう…」

そんなことを考えるようになっていた頃、わたしにぴったりのイベントがあることを知りました。

それは「わたしの研究テーマをつくろう ~ママの“わたしらしさ”を作る場所~」と題し、ママはもちろん、パパ、子育てや教育に興味のある方、独身女性や学生で次世代育成に関わりたい方を対象にしたワークショップ型イベント。長年スクールカウンセラーをされていた松原明美さんが発足したこころ館 主催のイベントで、“わたしらしさ”という言葉に強く惹かれて参加することにしました。

去る3月31日に京都のmumokutekiホールで行われたこのイベント。足を運んでみると、会場にはあかちゃん連れのママ・パパや妊婦さん、子育てを終えられた方、そして男性の姿も見受けられました。

こころ館は、こころと離れないライフスタイルを提供する京都の一般社団法人。教育現場で4,000名を超える方々にオリジナルメソッドを使ったワークショップ型・対話型の学びの場を提供してきたそうです。

そんなこころ館、これまでの活動内容をアップデートして「わたし研究」を新たな研究テーマに掲げ、今年4月に新しく生まれ変わったそうなんです。今回はリニューアル企画第一弾の「わたしの研究テーマをつくろう」という1DAY研究イベントということで、わたしもひとりのママとして興味津々!

今回のワークショップは配られたワークシートに自分の考えや想いを書き込んでいくスタイルで、お題は「あなたがこの世界を旅立つまでに“家族”“友達”“自分”にやりきりたいこと、それぞれに届けたいギフトメッセージは何ですか?」。

わたしにはこれがなかなかの難問で、ワークシートをすべて埋めることができませんでした。「大切なのは、自分としっかり向き合おうとすること。すぐに答えが出なくても、ぼんやりと浮かんだり考えたりすることが、“わたしらしさ”を知る第一歩となりますよ。」という松原さんの言葉を受け、家に帰ってまた考えてみることにしました。

ちなみに、ワークショップに一緒に参加していたオヤノミカタ代表の松井さんは、時間内に「わたしの研究テーマ」を見いだせたようです! ちょっとのぞかせてもらいました。

松井さんはワークショップを通して、すべてにおいて「時間がなく100%とことん突っ込めない」ことへの不達成感がある、という気付きがあったそう。「仕事(自分)とそれ以外(家族や友達)のベストなバランスは?」「限られた人生の時間をどう分配すればいいの?」そんなことを考えながら、仕事にもそれ以外にも不達成感を抱えて生きているのかも、と改めて自身の内面と向き合った松井さん。

仕事、育児、家事、趣味(自分のやりたいこと)…自分を取り巻くものがたくさんあって、若い頃のようにひとつのことに100%突っ込むことができない状況。それでも、できるだけ自分に正直に、悔いなく満足な人生を過ごしたい! それを実現するために松井さんが導き出した解決策は「ここまでやったら満足、という境界線を見つける」ということ。

自分が線引きした満足の境界線を常に越えた状態にしていれば、後悔よりも達成感に近いものを得て、前向きに次に進めるかもしれない。でも今は、その境界線がどこにあるかまだ分からない。だからそれを知りたいと思い「満足とは何か?」を研究テーマにした、という松井さん。

なるほど。自分の意志で決めた境界線(前向きな諦め)なら、「よし!ここまでできたんだから良しとして、次(別のこと)にとりかかろう!」とポジティブに切り替えられるかもしれませんよね。

さて、私の方はというと…家に帰ってゆっくり考え直してみました。

私もいま育児・家事と仕事の両立に頭を抱えています。改めて私が書いたワークシートを見返してみると「家族との日常」「一人の女性として輝く」という言葉が目立っていました。

「家族との日常」は家族と一緒に過ごすごく日常的な、でも絆を深め家族として成長することができそうな、かけがえのない大切な時間。

「一人の女性として輝く」は仕事を通して素敵な人、もの、プロジェクトと出会い自分の人生をより豊かなものにしてくれそうなこと。

このふたつをどちらも大切にしたくて必死にやっているけど、正直大変。どちらも中途半端な気がしてモヤモヤする…。あれこれ自分と向き合っていると、小学3年生の息子から言われたある言葉を思い出しました。

「お仕事大変そうやな。でも、かしこくなれるからいいやん。」

息子の「かしこくなれる」は「成長できる」ということ。仕事を始めてバタバタしている私を、息子は「イライラしてかわいそう」ではなく「かしこくなれて(成長できて)いいな」という目で見ていてくれた…。(泣ける!!)

そうか!目の前のこと=大変でしかないと決めつけていたけど、それらは自分を親としても、人としても成長させてくれる大切なもの、とプラスに捉えればいいんだ。そう気づいた瞬間、何事にも前向きに取り組める気がしました。ただ、まだやるべきことにアップアップな状況に陥ってしまいそうなわたし。そこで、わたしの研究テーマを「プラス思考への転換方法」としました。

例えば…

「こどもと一緒に遊ぶのは時間がないから大変だ」を「限られた時間だからこそ今を目一杯こどもと楽しもう!」とプラスに考える育児。

「仕事すると大変やし子供と向き合えない」を「大変の先には成長がある!イキイキと母が成長する姿はこどもにいい影響があるかも!」とプラスに考える仕事。

わたしが思い描くようにすべてうまくいかないかもしれないけど、“わたしらしさ”はきっと「家族との日常」「一人の女性として輝く」この両方の中にある。

産後はこども優先になりがちな毎日だったけど、改めて自分の内面と向き合ってみると今まで隠れていた本当の自分に出会えた気がしました。そのきっかけをくれたこころ館のワークショップと息子の言葉に感謝!です。

“わたしらしい”自分でイキイキと生きる姿をこどもに見せる

今回こころ館のイベント中にあった松原さんのこんなお話が、わたしのこころに響きました。

「将来自分はどうなりたいのか、を想像するために、まず“今のわたし”と向かい合うことが大切なんです。普段生きていたら忙しくて、自分の心がどんなことを感じているか、なかなか見ようとしないし、本当のこと(自分)を見るのが怖いこともあります。でも、それをほっといて生きることの方がもっと怖い。本当の自分をちゃんと受け入れた時、人は驚くほど変化していくんですよ。

時には立ち止まって、自分と向き合いながらこころを整理する時間が大切なんですね。忙しい時ほど、本当の自分を見失わないために必要なことなのかもしれません。

また、こころ館のこれまでのあゆみについてのお話もありました。冒頭でも記述したようにスクールカウンセラーでもあった松原さんは、自作のオリジナル絵本でこころの動きをこどもに感じてもらう活動を個人で行っていたそうです。

その後、先生・保護者・大学生に向けた(ご縁があってカンボジアのこどもにも!)講座を行い、2013年にこころ館を発足。松原さんが教育現場で10年間こどもたちを見続けて、見えてきたもの…それは、大人のわたしたちが真剣に生きる力を次世代(こどもたち)に見せることがとても重要、ということ。

大人が包み隠さず様々な生き方をする社会をつくり、例え失敗しても一生懸命取り組む姿をこどもに見せることで、こどももイキイキと生きるようになる、という答えにたどり着いた松原さん。そして『大人が生き方で示す、次世代育成のカタチ』がこころ館の目指すものとなったそうです。

ここに至るまで松原さんも色々な経験をされたそうで、30代前半に何をやってもうまくいかないハードな時期があったそう。その時に徹底的に自分の内側と向き合い、本当の“わたし”を見つめ直すことで自分を変えていった、と話す松原さんのイキイキした表情が印象的でした。

こころ館の研究員は現在9名で、イベント当日は3名の方による研究発表がありました。10回講座を受け、少しずつ自分と向き合いながら導き出したみなさんの「わたしの研究テーマ」はどれも興味深いものでした。

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小川智子 研究員(独身女性):『こどもがいない女性×こどもがいる女性』多様な女性の共存が生み出す未来の研究

中西阿紗子 研究員(妊婦):『諦めない妊娠期の過ごし方』

川口仁美 研究員(働くママ):『母が輝けば家庭が輝く』

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イベント参加者の声をここで少しご紹介…「自分のことを考えるきっかけになった」「今を精一杯生きて納得する人生を歩みたい」「大人がイキイキと生きる姿をこどもに見せて、未来に繋げていきたい」など! みなさん新たな気付を得て充実した時間を過ごしたようでした。

子育ては体力的・精神的に大変な時もあるので、自分の内面に目を向ける余裕も時間もないことがあると思いますが(私はそうでした)、時には立ち止まって、自分と向き合い、こころの声に耳を傾けることも大切なんだな、と感じた一日でした。

今後は働く女性・独身女性や、ママ、パパ、60歳以上のシニアにむけて「わたし研究」を展開予定のこころ館。なんと今年6月にはママたちの研究会を開催! 今後もこころ館の活動を楽しみにしています。

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