自分らしく働きたいすべての人へ捧ぐ 「前田さん、主婦の私もフリーランスになれますか?」の著者・前田めぐるさんのお話

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親としての自分と、社会人としての自分。どちらも同じように大事で、どちらも成長していきたいけれど、いま自分がおかれた環境下では、選ぶべき「答え」がうまく見つからない。そんな人ってきっと多いんじゃないかなと、日々感じています。特に私自身が親になってからは。

今回お邪魔したのは「オフィスも社員も持たない会社」を実践しているオヤノミカタ代表の松井知敬さんと、フリーランスを28年続けてこられてきた前田めぐるさんとの対談。「働き方」をテーマとした意見交換の場を見学し、特に印象に残ったお話をご紹介します。

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仕事を休んで気づいた、仕事へのアツい思い。

ともに親として、事業主としての経験を紐解きながら、ゆるりと始まったおふたりの対談。特に前田さんは先日、ご自身の3作目となる著書「前田さん、主婦の私もフリーランスになれますか?」を出版されたばかり。フリーランス時代が長かった私にとっては個人的にも、また同じ女性としても、前田さんの半生は実に興味深いものでした。

コピーライター・プランナーとして、独立した当初の前田さん。キャリアも充実してきた20代の頃ふと、「物欲がなくなった」と気づいたのだそうです。
さらに「物欲がない→モノを売る広告への関心が薄れた→子どもを産むタイミング」という思いがつのったそう。クライアントや周囲の関係者にきちんと休業を宣言し、しばしの育児休業。
しかし、ご自身も「意外な発見だった」と振り返るのは、休業期間中に気づかされた、仕事へのアツい思いでした。
「出産前、自分はもうモノに興味がなくなったと思っていたのです。でも日々子育てをする中で、日常の小さな問題解決に向けて、アイデアがどんどんわいてきた。あぁ、私は根っからモノが好きだし、プランナーなんだな、と」
ひとり目のお子さんが1歳半を過ぎた頃、復職。いまではお子さんも大学3回生と高校2年生に成長されています。

いつも自分の気持ちを大切にキャリアアップされてきた前田さん。そのお話の中でもっとも印象的だったのは、フリーランスを目指す方たちへのあるアドバイスでした。

 

フリーランスになる人も、そうでない人も、まずは「会社を辞めない方法」を考えてみてほしい。

本のタイトルのように「フリーランスになりたい!」という人にはどんな言葉を贈りますか?との問いに前田さんから出てきたのは、一瞬意外とも思える答えでした。

「フリーランスになりたかったらまず、会社をやめない方法を考えながら、じたばたしてみること」

その本意はとてもシンプルです。
「まず、いまの場所で出来ることをひたすら考えてみるべきだと思っています。辞めて、場所を変えるのでなく、いまの場所で『こんな制度や環境があれば働き続けることが出来る』と提案してみることに価値がある。その方が自分に実力も付くし、残された人たちにとっても有益です。すくなくとも『会社に辞めないで』といわれるレベルになってから辞めたほうがいい。
そうすれば、最終的に辞めて独立することになったとしても、『在職中の自分がほしかった支援や解決策』を提示出来るので、BtoB(対法人)で働ける。働き方の選択肢が増えるんです」

この答えは私自身、とても共感する部分が多いものでした。

私は会社経営をして4期目ですが、昔ひとりの女性従業員にこんなことを言われたことがあります。
「私は、フリーランスになんてなるつもりはサラサラない。会社員としての人生しか考えていないんです。」と。

当時、私は長年のフリーランス生活を終え、会社組織を作ったばかり。フリーランスって自由だし、自分の意思を大切にできるし、プラスになることが多いから「みんなフリーランスになればいいのに」と思っている節がありました。
しかし、その考えは大きく間違っていたと、この従業員の言葉で気づかされたのです。

彼女は、きっとこう考えていたと思います。
「自分にはフリーランスとしての才覚はないし、そもそも意志もない。でも従業員として、与えられた仕事を期待されている以上にこなす能力はある。だからこそ、自分が優秀な従業員としてどう生きていくかを考えたい」と。
彼女は会社にどう貢献出来るかを、いつも考えてくれる人でした。
つまりは、自分の得手・不得手を知っている人、自分はどんな環境で活躍出来るのかを知っている人こそ、いわゆる「仕事が出来る人」。前田さんのアドバイスで、当時従業員から教わった学びを懐かしく思い出しました。

 

自分を知ることと同じくらい、相手を知ることは、とても大切なこと

前田さんのお話で一貫していたのは、「自分は何を期待されているのか、を認識して行動することが大切」ということ。それは自分を知るとともに、相手の思いも理解することだなと、お話を伺っていて感じました。
「実は昔、主婦であることを隠している働く女性は多かったんです。子供がいると発熱や急病で納期を守ってもらえないと思われるんじゃないか……そんな不安からでしょうね。でも、隠したままで仕事をしていても、トラブルが起きたときに『実は子どもがいて』と後で言い訳をすることになってしまいます」
そんな後出しジャンケンのようなことはしたくなかった前田さんは、ずっと「子どもがいるのでフットワークは期待しないでください」と表明してきたそうです。
「できないことをちゃんと伝えたうえで、クライアントと徹底的に向き合う。すると、納期に縛られずじっくりと会社の理念やスタンスを共に考える仕事が増え、お互いに優先順位の高い関係を育むことができました」
クライアントが求める“仕事”を理解した上で、自分の出来ること・出来ないことをきちんとお伝えし、真摯に接する前田さん。
「自分を知る」「相手を知る」ということがいかに大切か…。今回の対談を通じて、前田さんと松井さんのおふたりに改めて教わった気がします。

 

最後に、前田さんがおっしゃった言葉をご紹介します。

「フリーランスは、笹舟のような小さな存在です。でも笹舟という最小単位の自分でも、大きな船を引っ張るタグボートになる言葉や理念を一緒につくることはできる。そのことにいつも支えられてきたし、これからもそうだろうと思います」
謙虚だけれど、そこに感じるのは強い意志。自分の立ち位置をしっかり見据えた先輩ライターの前田さんに、とても刺激を受けた1時間でした。

いま、フリーランスになろうかと、迷っている人。
いま、会社が楽しくないなあ、と悩んでいる人。
これからの人生を真剣に考えているすべての人へ。

前田さんの本「前田さん、主婦の私もフリーランスになれますか?」をどうぞ手に取ってみてください。これからの人生を見つける「羅針盤」となってくれるはずですよ。

 

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■前田めぐるさんオフィシャルサイト
https://www.maedameguru.com

★対談記事はコチラから
【前編】http://canyway.hatenablog.com/entry/2017/06/18/111407

【後編】http://canyway.hatenablog.com/entry/2017/06/18/111800


■出版記念イベント

● 4/20 京都(京都市)
https://www.facebook.com/events/1719620571663262/
● 5/11 広島(福山市)
https://www.facebook.com/events/110404239509468/
● 5/20 愛媛(松山市)
https://www.facebook.com/events/1908390886110064/