新たな挑戦!衹園祭を「親子ウェルカム」な伝統祭事へ!

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子育てをする中で、みなさんはこんなふうに思ったことないですか?

「〇〇に行きたいけど、こどもと一緒は大変そうだしやめとこう。」

「〇〇をこどもと一緒に経験してみたいけど、まだ早いかな。大きくなってからにしよ。」

 

こどもと一緒に過ごす時間は、時に「諦め」や「先延ばし」を余儀なくされることもあると思います。私も、こどもが生まれてから人がたくさん集まるような場所やイベントにはあまり行かなくなりました。もちろんそれが“あかちゃん・こども向け”であれば気兼ねなく参加しようと思えるのですが、そうでない限りあえて我が子を(というか自分を、かな)大変だと思う場所やイベントには連れて行こうと思いませんでした。

 

でも、こどもとべったり過ごす時間って「先の見えないゴール」のように今は思えたりするけど(笑)、実は自分の人生の中でほんの数年しかない貴重な時間なんじゃないかな、って最近思うようになってきました。

 

私の小学3年生の息子も、気が付くと自分のことは自分でしたり決めたりするようになり、親とより友達と過ごす時間が長くなってきて…「うん!順調に成長してる!」と思う反面、なんか寂しい。

 

今しかない親子の貴重な時間を「諦め」や「先延ばし」で過ごすより、今だからこそ一緒に経験して親がこどもに伝えられること、いっぱいあるような気がする。そう私が思うようになったのは、あるママたちの取り組みを知ってから。そのママとは、以前ご紹介した早川美咲さんと山本安佳里さん。0歳から楽しめる京都のおでかけガイドブック『あかちゃんと一緒 京都おでかけ手帳』(以下『おでかけ手帳』)をつくった中心メンバーのおふたりです。

 

そんな早川さんと山本さん、 まだ幼いこどもの育児に追われる日々の中、新しいプロジェクトの実現にむけて動き出しているんだとか! そのプロジェクトとは「京都の衹園祭をこどもと一緒に楽しもう!」というもの。こどもと町の伝統をつなぐ場所・きっかけづくりに取り組むその活動内容をご紹介します。(その前に、衹園祭について少しお話ししますね^^)

 

伝統文化が息づく衹園祭

衹園祭は京都人ならずとも多くの人が知る「日本三大祭のひとつ」と言われています。再三中断・再興を重ねながら1100年の伝統があり、京都の歴史と共に歩んできたそうです。毎年7月1日(吉符入)から31日(疫神社夏越祭)まで1ヶ月もの間行われる大規模な祭事で、その間多くの準備や行事が行われるって知ってました? 7月17日の前祭・山鉾巡行と神幸祭(お神輿で神様をお迎えする行事)とその宵山が有名ですが、49年ぶりに衹園祭が本来の姿に戻り、24日の後祭・山鉾巡行と還幸祭(お神輿で神様をお返しする行事)が平成26年に復活! 国内はもちろん海外からも観光客が集まる夏の京都一大祭となっています。

 

また、山鉾行事は昭和54年に文化保護法により国の重要無形民俗文化財に指定され、平成21年には国連教育科文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産にも登録。衹園祭は京都が(日本が!?)誇る伝統祭事として多くの人に親しまれています。

 

衹園祭に対するそれぞれの想い

「祖父母の家が四条・西洞院(衹園祭が盛んな地域)にあったので、幼い頃から衹園祭の期間は祖父母の家で過ごし、めいっぱい祭を楽しんでいました。夏と言えば衹園祭! 私の生活の一部です(笑)」と衹園祭の思い出を話してくださった早川さん。

 

誇らしげに衹園祭について語る祖父、楽しげに山鉾を連れまわる母、圧倒されそうなほど美しい鉾の飾り、コンコンチキチンと町中に響くお囃子の音、露店から漂う食欲そそるにおい、汗ばんだ肌で感じる伝統ある祭そのものの熱気…そのすべてがまだ幼かった早川さんの心にしみ渡り、今なお色あせず深い記憶に残っているそうです。

 

こどもが生まれても、当たり前のように我が子を衹園祭に連れていった早川さん。幼い頃から慣れ親しんだ祭を我が子と一緒に体感している喜びをかみしめつつも、どうしても拭えなかったひとつの感情。それは「あかちゃん連れの衹園祭は大変だ」という気持ち。

 

気温と熱気からくる暑さや、国内外から集まる観光客の混雑の中、授乳・オムツ替え・ベビーカー移動・こどもの休憩場所の確保など、あかちゃんとの衹園祭は避けて通れない様々な苦労の連続だったそうです。

 

「あかちゃんと衹園祭に行くのは大変だけど、工夫をすれば楽しめるはず!」と去年『おでかけ手帖』のブログで“あかちゃんと一緒でも楽しめる衹園祭のおすすめ情報!”をメンバーと自分たちなりに紹介。すると、同じ親世代から驚くほど反響があり「私と同じような思いをしたママやパパはたくさんいる! あかちゃんと一緒でも衹園祭を楽しめる環境が整っていればいいんだ!」と強く感じた早川さん。

 

一方、関西出身ではない山本さんにとっても衹園祭は憧れのお祭だったそう。京都に移住して初めての夏、4ヵ月の娘さんと衹園祭を初体験。「山鉾の佇まいは歴史の厚みと風格が予想以上!」と伝統文化が息づく衹園祭を肌で感じた山本さん。「子連れでも行けないことはない…。でも、もっとあかちゃんやこどもに配慮された環境だったら、親子で衹園祭をもっと楽しめるのに…もったいない!」と山本さんも早川さんと同じ想いを抱いたそうです。

 

親子で満喫できる『こどもと行こう!衹園祭』

そして、山本さんが早川さんとともに立ち上げたのが『こどもと行こう!衹園祭』プロジェクト。伝統文化である衹園祭を親子で楽しめる今までにない取り組みなんだそう。

 

まずおふたりが考えたのが『こどもステーション』の設置・運営で、約25カ所のオープンを目指しているんだとか。「授乳やオムツ替えスペースの確保とともに、暑さと人混みからあかちゃんやこどもを守るための休憩所でもあるんですよ。」と山本さん。『おでかけ手帳』を通して知り合った“あかちゃん・こども歓迎”という既存店舗や商業・公共施設の協力を得るとともに、『こどもステーション』として場所を提供してくれる新規店舗の開拓も現在行っているそう。

 

また、あかちゃんやこどもと安全に楽しく歩ける「こどもと行こう!衹園祭おすすめマップ」も作成・配布予定らしい。衹園祭を知り尽くしたエキスパートのみなさんから話を聞き、親子で満喫できるテーマ別(露店ルートや山鉾ルートなどを検討中)のモデルルート、『こどもステーション』の場所、山鉾の説明、衹園祭ミニ情報、守りたいマナーなど役立つ情報を載せるそうです。

親子で楽しめるおすすめルートを構築中

 

そしてなんと“授乳服貸出サービス”や“ベビーカー預かりサービス”、『衹園祭子連れツアー』も行う準備をしているんだとか!すごい!

 

私も高校・大学・職場がずっと京都だったので、衹園祭に親しみはあります。でも、正直こどもを連れて衹園祭に行くことに積極的にはなれませんでした。あの猛暑…あの人の多さ…、こころ穏やかに楽しく子連れで祭を楽しめる自分が想像できない! でももし、親やこどもの味方になってくれそうな『こどもステーション』や子連れでも楽しめるマップがあるのなら、ちょっと行ってみようかな、と前向きになれると思えます。京都の人々が支え、繋いできた伝統の祭をこどもと一緒に体感できる幸せ…それを感じてみたい、という想いが私の心の中にもあるから…。

 

『コドモト』発足!未来のために今こどもとできること…

2016年12月、山本さんと早川さんは『こどもと行こう!衹園祭』プロジェクトを水面下で進めながら、新たな団体『コドモト』を発足。それはこどもと一緒に衹園祭を楽しむプロジェクトを企画・運営するためだけではなく、伝統文化を始め身の回りの様々な感動をこどもに体感してもらい、感性を育んでもらうため…でもあるそうです。

 

町をあげて取り組まれる衹園祭のような伝統文化も、人々が受け継いできた生活の知恵も、ご先祖様を大切に思いそっと手を合わせるような習慣も、野菜やお米そのもの本来の美味しさを知ることも、夕日や星空を見て美しいと思う心も、こどもの頃に経験するすべてのことを原体験として持ち、こころ豊かに成長して大切な“感動のタネ”を未来へと繋げていってほしい…、そんな願いを抱く山本さんと早川さん。

 

様々な経験を通して根付いた “感動のタネ”は価値観を育み、ずっとこころの中に残るのではないでしょうか。そしてこどもが親になった時、“感動のタネ”をまた次のこどもへ繋げようとする…、そんな過去・現在・未来へと繋いでいく“感動のタネ”リレー、私はとても素敵だと思います。

 

 

「こどもには“学んだり、経験できる場所・感じてもらえる機会”を提供して、大人には“こどもと一緒にやってみよう!と一歩を踏み出せる環境”をつくる、それが『コドモト』の目指すカタチなんです。」と山本さん。

 

こどもの頃の経験は豊かな感性を育て、個人の価値観を構築していく大切なものだと思います。大げさかもしれないけれど、こどもに様々な体験の場所・機会を与えることが私たち親の役目なのかもしれません。でも、現代社会では様々な困難があって、我が子に原体験を積ませるのが難しいときもありますよね。そんなとき、親たちの背中をそっと押したり、時には親に成り代わったり…、『コドモト』はそんな存在なのではないでしょうか。

 

子育てしながら挑戦し続ける原動力は…

『おでかけ手帳』をつくったり、『こどもと行こう!衹園祭』の新プロジェクトに取り組んだりと、子育てをしながら今までになかったものを生み出そうとする原動力は何なのでしょうか。

 

「問題解決を誰かに任せるのではなく、当事者意識をもって私たち親ができることをこどものためにもやっていきたいんです!」と教えてくれた山本さん。子育てをしていると「困った!」の連続ですが、それを嘆くのではなく、解決するために一歩ずつ前に進もうとする姿はなんかカッコイイ!と思いました。

 

そして早川さんは「このままだと、私たちの世代で途切れてしまうことがいっぱいあると思うんです。私たちが引き継げていないことや、知らないこともいっぱいあります。だから、こどもと一緒に学びたい。それから、京都への愛情かな…(笑)」と少し照れながら話してくれました。2年程前にご主人の転勤で東京に移住した早川さん。関西から離れた今でも、“こども”と“京都”への愛で『コドモト』を支え、様々な課題に取り組んでいます。こどもの頃に体感した衹園祭…それが今の早川さんをつくりあげたひとつの大切な要素なんだと思います。

 

ふくらむ実現へのワクワク

「ありがたいことに自分たちでも不思議なくらい、次から次へと色々な繋がりが生まれ、どこまでやりたいことを実現できるのかワクワクしています!」と目を輝かせるおふたり。『こどもと行こう!衹園祭』は今まさに準備中のプロジェクトで、心強い衹園祭のエキスパートのみなさんや、山本さんと早川さんの想いに賛同した京都住民の方々と打ち合わせを重ね、企画を固めている真最中なんだとか。今後『コドモト』がどんな人と出会い、どんなふうに輪を広げ、どんなふうに「あったらいいな」を実現へと変えて「諦めない」「先延ばししない」環境を整えていくのか…、これからも『コドモト』が繰り広げる『こどもと行こう!衹園祭』から目が離せません!

 

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