料理を教えるのが第一目的じゃないこども料理教室!?

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洗濯、料理、掃除… 子育てしながら日々やらなければならない家事って色々ありますよね。その中で私が一番大変だと思う家事は、料理!「料理=食べるもの」であって、「料理=つくるもの」ではない!という感情が私の場合わき起こってしまうからかな(笑)

 

でも、そんな私の息子たちは意外にも料理好き。私が料理をしていると「あ!それオレにやらせて!」とよく寄ってきます。とってもありがたいことなんだけど、「私がやった方が速い」という理由で「それより宿題やっといて」と断ってしまう私。とはいえ料理上手な男子に育てるべく、たまに(私の時間と心に余裕があるとき)料理のお手伝いをお願いすることもあります。

 

そこでまず起こるのが、兄弟ゲンカ。「オレがやる!」「りゅーちゃん(自分)がやる!」と卵ひとつ割るのにワーワーなります。

そして次に起こるのが、母(私)からの容赦ない指導。「ちゃうって!こうやんねん!」と自分と違うやり方や手順にいちいち口を出してしまう。

 

そんな私が、出会ってしまったのです!「親子でする料理 = 親子の最高のコミュニケーションになる」という新しい概念に! それを教えてくださったのは、西原亜希子さん。一般社団法人 神戸親子遊び推進協会の代表理事であり、5年生の双子の娘さんをもつママでもあります。

 

こどもにとって大切なことってなんだろう?

西原さんはお子さんが小さかった頃、熱心な教育ママだったそう。こどもたちのために手作りカルタで文字あそびしたり、卵パックを使って数字あそびしたり、ご自身で色々考えて教材アイテムを手作りしていたそうなんですが…

 

「最初はこどもたちも喜んでやってくれて、どんどん賢くなっていきました。それなのにある程度までいくと成長を感じにくくなって、こどもを怒ってばかりいました。でも気付いたんです。私が一方的に必死になりすぎて、こどもとの時間を楽しめていなかった…、と。」

 

そして、まずは親が褒め上手になってこどものやる気をドンドン引き出し、子供との時間を親が楽しむ…、そしてこどもには遊び感覚で文字・図形・数字などを学んでもらう…、という親子参加型の『親子脳トレあそび教室』を開いた西原さん。娘さんが4歳の時だったそうです。使う教材は極力家にあるものを使用して、家に帰っても真似できるように工夫したんだとか。

 

教室は近所のママたちから好評で、どんどん生徒が増えていき、西原さんの生活は忙しくなるばかり…そして、我が子との時間が十分に取れない、という結果に。「娘たちのために始めたことやったのに…何やってるんやろ、私…」とこども達の寝顔を見て涙を流すことが増えていったそうです。

 

“親子料理”は最高の“親子コミュニケーション”

そんなある日、「料理してみたい」とこどもに言われた西原さん。でもまだ幼稚園児…、ただでさえ忙しいのに余計に手間と時間がかかってしまう…とやらせるべきか迷ったそうですが「私の寝る時間が30分遅れるだけ!」とこどもたちとキッチンに立って料理をしてみることに。すると…

 

「大変でしたが、意外に楽しかったんです! こどもとじっくり向き合って、同じゴールを目指していっぱい話して。私がやらなきゃいけない仕事や家事をして忙しい間、こどもたちは時間つぶしでテレビを見る…。そんな時がどうしてもある分、親子でする料理が何にも邪魔されない純粋に親と子だけの時間な気がして…。親子でしっかり向き合える時間が、すごく嬉しかったんです。」と西原さん。

 

もっとこの親子料理を広めて、自分のように忙しい親でもこどもとの楽しい時間が持てるように…と平成27年3月に『とことこ こどもお料理教室』(以下『とことこ料理教室』)の新たな立ち上げに踏み切ったそうです。

 

「私たちが教えたいのは、お料理ではありません。」

親子で一緒につくる料理教室ではなく、こどもにだけ教える料理教室…その理由は「親はこどもについ感情的になってしまうから」だそう。(あ、それ私やん…)

 

「親子で楽しく料理できるように、まずはこどもが料理に慣れることが必要かな、と。でも、私たちが教えたいのは、お料理ではありません。」

 

え? 料理教室なのに、料理の上達が第一目的ではない!?

「もちろん料理が上達して、即戦力として親の料理を手伝えば親もラクできていいと思います。でも、それだけじゃない。一緒に料理をすることで生まれる親子の時間、“親子の絆”を育んでほしいんです。」

 

料理をつくること…それは親にとってはルーティンワークで、やらなければならない家事のひとつ。こどもとゆっくり楽しい時間を過ごしたいのに“やらなければならない家事”という縛り(考え方)から逃れられず、イライラしながら家事をする(私はそうかも)。家事をなくせないのなら、思い切ってそれを“親だけがせっせと取り組む時間”ではなく“親子のコミュニケーションの時間”にしてしまおう!という発想。

 

「忙しいママやパパにこそ、親子料理の隠れた価値を知ってもらって有意義な親子タイムにしてもらえたら、むっちゃ嬉しいです!」という西原さんの心からの笑顔が、本当に親子料理を楽しんできた証なのかもしれません。

 

“向き合う”から“ながら”親子コミュニケーションへ

「あと、私の娘たちが10代になって気付いたんですが、だんだん学校のことや悩んでいることを私に言わなくなるんです。思春期の始まりですよね。そんな時期でも、料理をしながらだと不思議と色々話せちゃうんです。“ながらコミュニケーション”が程よい距離感を保ちつつ、同じ目的(料理)を持って側にいることで安心感を与えているのかもしれません。」

 

小さな頃の親子料理は同じ時間・空間を共有する“向き合う親子コミュニケーション”、そしてこどもが大きくなってくると肩を並べて“ながら親子コミュニケーション”がとれる。親にもこどもにもずっと利点があるのが親子料理の素晴らしいところなんですね。

 

“生きる力”も身につく『とことこ料理教室』

現在、兵庫県内に19教室あり、16人の講師が在籍している『とことこ料理教室』が大切にしていること。それは、「こどもに余計な口出しをしない」なんだそう。

 

つい私がやってしまう余計な口出し。例えば「泡だて器で切るように混ぜたら速くよく混ざる」「この料理は汁が出てくるから深いお皿に入れて」といったような細かい指示。でもこれって、こどもは言われたことをするだけで、自分で考えようとしません。何を使ってどんな風に混ぜたらいいのか。どんなお皿を使えば気持ちよく楽しく食べられるのか。『とことこ料理教室』では、“自分で考える料理”を心がけているそうです。

 

「まず自分で考える。それを実践してみる。失敗してしまった。何が悪かったのかな? 違う方法を試してみる。成功すると自信につながる…。『とことこ料理教室』では、自分で考える力、行動にうつす力、失敗しても別の物・やり方でリトライしてみようとする対応力を高めている…。それらはすなわち“生きる力”が身につく、ということなんです。」

 

料理をしながら“生きる力”も身に付けば、人として成長できそう! 頼る、ではなく自分たちで考えて協力しながら料理をすることで、協調性も育まれるのではないでしょうか。

 

褒めてこどもの自己肯定感を高める

『とことこ料理教室』ならではのこどもとの接し方はまだあるそう。それは、あの子はできるのにこの子はできない…とこども同士で比べるのではなく、昨日までのその子と今日のその子を比べる、ということなんだそう。

 

「前よりも上手に包丁が使えるようになったね」

「前はピーマン食べられなかったのに今日は食べられたね」

「今日はお友達と協力して作れたね」

 

「そんな声掛けでこどもは自信をつけます。そして、そういう気付いたことは親御さんにもお伝えします。写真もいっぱい撮ってすぐ見て頂けるようにしているんですよ。お家ではあまり見せないその子が持っている表情や性格や頑張りを、親御さんにも知ってもらってこどもをたくさん褒めて頂きたいんです。そうやってこどもの自己肯定感を高めてあげることが大切だと思っています。」

 

他人とではなく、昨日までのその子と今を比べて褒める…、こども一人ひとりにしっかり目が行き届いているからこそ、ですよね。こどもの自己肯定感を高めてあげることも、こどもが生きていく中で自分の土台作りとなる大切なことだと思います。

 

料理は“家族”と“勉強”の味方にもなる!?

親子料理は、家族みんなを笑顔にするプラスのスパイラルがあるんだとか!

「例えば、ママとこどもが一緒につくった料理をパパが食べる。パパもおいしい!と言って喜んでくれる。おいしい、と言われたこどもは自信をつけてまた頑張ろうって前向きになる。親子で料理をすることで、家族みんながハッピーになれるんですよ!」

 

「本当に料理はこどもにとって万能! レシピを読んだり理解することで国語力を、材料を見てどんな料理になるのか考えることで想像力を、分量を量って足したり引いたりすることで計算力を、メニューを見て過程を憶えることで暗記力を、一生懸命とりくむことで集中力を…育む。お料理には大切なものがギュッとつまっていると思うんです。」と西原さん。

 

 

そして『とことこ料理教室』は今、全国展開に向けて動き出しているそう。こどもや親に伝えたい想いがちゃんと届くよう、講師の育成にも力を入れているんだとか。これから『とことこ料理教室』がどんどん広がって素敵な親子料理の輪が広がれば、家族の笑顔も増えるのではないでしょうか。

 

なんでも西原さんの“親子の絆”“生きる力”を育てる取り組みは、『とことこ料理教室』の中だけに留まらないんだとか! 親子の一生の思い出になるような珍しいイベントを次々企画しているらしいのですが…。教室を飛び出し、どんなイベントを開催しているのでしょう。そして西原さんが抱く夢とは!? 気になる続きは、また後日ご紹介しようと思います。お楽しみに~♪

 

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