親子でアートに身を浸す、贅沢な1日。│Nehan Lab.

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東寺で開催されたアートフェスティバル Nehan Lab.  に家族6人(8才、4才、3才、1才+大人2)で行ってきました。10:30から終了までの6時間たーっぷり遊ばせていただいた後、夕方からは下の子3人を妹に託してむすこと夫婦でライヴ「観光地」を堪能。なんとも贅沢な休日になりました。

子どもの絵の世界を広げていく、優しい声かけ

たくさんテントがある中、子どもたちがまず向かったのが塗り絵コーナー。題材は東寺のシンボル五重塔です。

家や保育所では、真っ白い紙に絵を描くことが多いむすめたち。ドーンとそびえたつ五重塔を前にちょっと戸惑っていると、スタッフのおねえさんが声をかけてくれました。

「この人は何してるのかな〜」
「この建物のどこであそびたい?」
「あ、おひさま描いてるんだ。お空にはあと何があるかな?」

ふんわりとした言葉と声で、子どもたちの絵の世界をどんどんふくらませていってくれます。中でも印象的だったのが、

「何色にする〜?」
「ぴんく」
「ピンクかぁ。濃いのもあるし、淡いのもあるし、色んなピンクがあるよ」

という会話。机の上には種類の違う色鉛筆が何箱も置かれていて、たくさんの種類の赤や青や緑があったんです。子どもたちはその中から、自分が一番いいと思う色を見つけ出すことができました。五重塔のまわりには白紙のスペースがたっぷりあるので、思い思いにお絵描きを楽しみます。

小さな丸を1つずつカラフルに塗っていく子や、
五重塔のまわりにたくさんの人を遊ばせる子、
屋根にカラフルなしま模様にする子、
地面から木を生やし鳥や実を描いていく子。

同じ塗り絵でもそれぞれの個性が出ていて、一緒に参加した子のお母さんと「おもしろいなぁ」と笑ってしまいました。

 

みんなの絵が一つにつながっていく、巨大キャンバス

会場につくとまず目に飛び込んでくるこの巨大キャンバス。

Photo : 村山真平 Shimpei Murayama

真っ白な状態から徐々ににぎやかになっていき、夕方頃には大きなアート作品が完成しました。子どもたちがふらっと立ち寄って、アンパンマンやぐちゃぐちゃの線を描いていきます。時にはお喋りしながら、時にはキャンバスの上に座り込んで。

最初はバラバラだったそれぞれの絵が八雄さんの流れるような色彩で一つの世界につながっていき、濱大二郎さんの描く人が縦横無尽にキャンバスを駆け巡ります。

ギラギラ輝きだしたアンパンマンを見て歓声を上げる子どもたち。目の前でプロの筆筋を見ることができるという贅沢な体験です。しかも、自分たちが今描いているキャンバスの上で。八雄さんは、細やかに手を動かしながらも

「つぎ何色するんー?」
「それなに?」

と話しかける子どもたちに笑顔で言葉を返してくださっていました。夕方、ずっと一人で巨大キャンバスにはりついていたむすこに「何描いてたん?」と聞くと

「ずっとおっちゃんたちと喋ってた」

という返事。まさに描いている最中の画家の方と話せる機会なんてそうそうないので、これも貴重な経験だなぁとありがたく思いました。八雄さん・濱さんはきっとたいへんだったと思いますが……(すみませんでした!)

 

自分だけのTシャツ、できた!

さて、次はいよいよ「家で眠ってるシャツにぺたぺた絵の具をぬろう!」のテントへ。家にあった無地Tシャツをかき集めてリュックに詰め込んできた私たち。どんなにヘンテコな仕上がりになっても、保育所で着る服なら大丈夫!何も言わず、手も貸さず、自由にやらせた結果がこちらです。

8才、4才、3才の作品です。ぬりえの時もそうだったのですが、描いている間、子どもたちは集中した様子で黙々と筆を走らせていました。何度も絵の具をもらいにいき、思う存分描かせていただいたTシャツたち。さっそく保育所に着て行って「どうしたんそれ?!」と先生や友だちを驚かせています。

大胆に色を重ねていく様子を横で見ているとこちらはだんだん不安になってくるのですが、割とあっさり

「できた!」

と筆を置くむすめたち。ほっとすると同時に、子どもなりに完成イメージを持って取り組んでいるんやなぁと驚きました。

こちらはむすめの同級生の作品。大胆な色使い!これ着て保育所行ったら、注目の的間違いなしやな〜!

こんなお絵描き、家でもさせてあげられたらいいのですが、かなり勇気がいる……というか私には無理……とやっぱり思ってしまうので、本当に貴重な機会をいただきました。京都・西院で布用絵の具を企画・販売されているクラフトワークスKyotoさん、ありがとうございました!

 

1日中楽しめて、フードもおやつも美味しいイベント

森林食堂と喫茶マドラグが出店するとあって、実はお昼ごはんもかなり楽しみにしていました。お昼時にはカレーを求める行列が。スパイスたっぷりのカレーもたまごサンドも、おやつのビスコッティもと〜っても美味しかったです!子ども用にはミルクをまぜてカレーの辛さをやわらげてくれました。

Photo : 村山真平 Shimpei Murayama

紙芝居を読んでもらったり、ふわふわのフェルトのパズルで髪飾りやボールを作らせてもらったり、休む間もなくテントをはしごして遊ばせてもらった子どもたち。

4月も下旬だったので桜は見られないなぁと思っていたのですが、嬉しいことにこの日は八重桜が満開。広くてきもちのいい境内で、子ども4人を連れていてもゆっくりと時間を過ごすことができました。

 

むすこが全身で感じた、アーティストたちの作る世界。

早めの夕食におうどんをいただき会場へ戻ると、さっきまでの日差しが嘘のようにひんやりとした風が吹き始めます。ここからはむすこにとっては未知の世界。夕陽に照らされた東寺が、昼間とはまた違った美しさで私たちを迎えてくれます。

Photo : 村山真平 Shimpei Murayama

仙石さんが色を重ねていく投影機材を覗きに行ったり、お庭を走り回ったりしながら、いつの間にか客席の前にある木の根っ子に腰かけて演奏をきいていたむすこ。


このダイナミックなアンサンブルが彼の耳にはどうきこえているのか。

はじける笑顔で飛び跳ねながらスティール・パンを鳴らす大人たちは、そんな彼らを音と共に鮮やかに染める色彩は、彼の目にどう映っているのか。


彼が感じた全てを知ることはできないけれど、その表情や動きからこの空間を十分に味わっていることが伝わってきました。ライヴハウスに連れて行ったこともあるけれど、たくさんの人に囲まれた中で座って音楽をきくというのは彼にとっては少し窮屈そうでした。この会場だからこそ、自由に動きまわりながら全身で音楽を感じることができたのだと思います。

Photo : 村山真平 Shimpei Murayama

ライトアップされた庭園を進んでいくと、黄金に輝く五重塔とステージが見えてきました。ゾクゾクするような眺めに、周囲のテンションが上がっていくのがわかります。むすこはここでも隙間をぬって一番前のど真ん中へ。先ほどとはまた違う混ざり方をする色の世界に照らされたスティーヴ エトウさん・豊田奈千甫さんのハードな演奏を、食い入るように見つめます。

そしていよいよ、むすこにとっては昼間のラップ教室の先生であるShing02さんの登場です。私にとってもはじめて間近で触れるHIP HOPの世界でした。

Photo : 村山真平 Shimpei Murayama

仏様に見守られながら、音と色に身を浸す素晴らしい夜。私も夫もすっかり夢中になってしまい、ステージが終わってから「で、うちのむすこはどこ行った?」という状態に。何食わぬ顔で表れたむすこと、少し名残惜しい気持ちで東寺を後にしました。帰りの車の中で感想を聞くと、ポツリと一言

「かっこよかった。」

詳しく聞きたい気持ちは山々でしたが、大きく心が動いた時ほどすぐには言葉にはできないよな……と思い、静かに家路につきました。

盛りだくさんの、でもあっという間にすぎた1日でした。朝から晩まで家族で楽しませていただき、本当にありがとうございました。Nehan Lab. の皆さん、来年もぜひ開催してください!


Nehan Lab.
http://www.nehanlab.com/

主催:こども芸術教室Kidz Lab.
http://kidzlab.info/